要望通りにシステムを作っても、『こんな物を頼んだ覚えは無い』と文句を言われないためにはどうすればいい?

システムエンジニアとして歩み始めたあなたに

システムエンジニアとして、バリバリ頑張るぞーって意欲モリモリで入社したあなたへ・・・

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これから、がんばるぞー

30有余年前に同じ志を抱いていた私が入社時に悩んでいたこと。

時代は違っても同じように悩んでいるあなた方へアドバイスしましょう!

 

●今回、解決する悩み

慣れない間は、良く『こんな物を頼んだ覚えは無い!』って、少し感情的な言い方をされる事がありますよね。

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こんなものを頼んだ覚えは無い


要望された通りにシステムを改修して、テストもばっちり行って、さあ使って下さい!ってリリースしたら、折角の自信作に悲しい評価が・・・

 

これって、下手するとうつ病になりそうなぐらい悩みますよね。

僕の何が悪かったんだろうって・・・

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おぉぉぉぉ 私の何が悪いんだ?

今回解決するのは、この悩みです。なかなか難しい悩みですが、考え方を変えるだけでこの悩みを解決する事ができます。

 

⇒そうすると、

★感謝される

要望通りにシステムを作らなくても、『こんな素晴らしい機能まで追加してもらってとっても感謝している』と言われるようになります。

これで、あなたの悩みが消えるどころか、やりがい・満足度がアップします。

 

★何かと相談を受ける

あなたにシステムを要望すると、要望以上のものが出来上がってくる。すると、要望する人は、どうすればいいか一生懸命考えたうえであなたに相談してくることでしょう。

すると、あなたにはいろいろな部署の問題点や、いろいろな人の考え方が分かり、それはあなたの貴重な経験となって蓄積されていきます。

 

★開発時間が短くなる

相談を受けた後に、要望されるわけですが、その時には前提条件や背景などが全てあなたの中に蓄積されているため、検討時間が短縮でき、システム開発や改修に係る時間が激減します。

要望した人にとっては、半年はかかるだろうと思って要望したものが3日で完成したと連絡を受けたら、飛び上がって喜ぶことでしょう。

 

システムエンジニア力アップ

あなたの人望は厚くなるでしょう。

システムに対する知見が信頼されるでしょう。

会社の中で、あなたの意見が通りやすくなります。

そして、昇格し、昇給する・・・でしょう

 

●クレームはなぜ発生するのかを考えましょう

現場の人たちは、何か問題があった時、効率や精度が上がったりするアイデアを思いついた時に、同僚や上司たちと相談して、システム変更仕様を作り、システム部門に要望してきます。

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ひらめいた!

そして、その要望が記された書類に沿って、システム部門で活躍中のあなたは、システム変更を行うでしょう。

そして、出来あがったシステムは、その要望書に書かれている通りに出来ています。

でも、そのシステムを要望された方に使ってもらうと・・・

 

これは、お互いに問題があるのです。

 

現場の人たちのしたい事  要望書の内容  システム変更

と言う等式が成り立つとあなたが大きな勘違いをしているからです。

 

この様な等式が成り立つようにしたいならば、現場の人たちもあなたも、コミュニケーションについてかなり訓練をしなければならないでしょう。

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コミュニケーションは全てにおいて大事です。

それが出来ていないと、往々にして

現場の人たちのしたい事  要望書の内容  システム変更

になります。

 

そして、この  の部分が全ての問題の原因です。

 

英語の契約書を日本語に翻訳して、ビジネスを開始すると、後に揉めることが有ります。これは、よりどころとなる契約書の内容が英語のと日本語のとでその解釈に相違が出てしまうことが有るためです。

もちろん、英語の契約書 = 日本語の契約書 なら何の問題も無いのですが、翻訳者が契約書の内容を完全に把握して、翻訳出来なければ、意味が変わってしまいます。

 

あっ!面白い事を思い出しました。

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面白い事を思い出した―!

以前中国語のシステムを開発した時に、何々以上の時って条件を日本語のままでシステム開発してしまったら、大クレームになりました。

 

日本語では、10以上の自然数って、10,11,12,13・・・じゃないですか。

でも、中国語では、11,12,13・・・なんですよ。

 

この差がプログラムロジックの差になって、本来は抽出されるべきではない10が宙主っされてクレームです。

 

台湾人は、10以上で抽出と要望しているから、11,12,13・・・と抽出されて当然と思っています。

私は、10以上で抽出だから、10,11,12,13・・・と抽出されて当然と思います。

どちらも当然だけど、結論が異なります。

 

このような違いに気付かなければ、自信作がただの駄作になります。

システムエンジニアの仕事とは

システムエンジニアの仕事は、システムの検討、設計、部署間調整、開発、運用支援に加えて、自部署のルーチン業務があります。

 

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いろいろな部署といろいろな業務

しかし、見落としてはならないのが、他部署を含めた全部署の業務・運用も全て把握しなくてはならないことです。

 

なぜなら、作ろうとするシステムについて知っていないと作れませんから。

そして、社内のシステムとなると、他部署からシステム開発や回収に必要な書類が満足に提出されるとは限りません。

 

この事を肝に銘じて事に当たらないと、両方とも  になります。

 

●さて、私が悩んだこと

作ろうと・・変更しようとするシステムについて良く知らないのに、こんな風にしてくれとアバウトな要求が来る・・・それを必死で実現して、出来上がったら、要請した人からは『こんなはずじゃなかったのに』ってクレームに近い文句を言われる・・・

 

これってすごく苦痛じゃありませんか?

こんなことが続くと胃に穴が開きそうですよね。 

 

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自分がした事で文句を言われると、胃が痛くなる

システムエンジニアになりたかったのは、システムを作って、そのシステムを使ってもらって喜んでもらう・・・ためでしたから、文句を言われると、真逆の結果。

 

どうすればいいのかとても悩みました。 

●この悩みの解決方法は

文句を言われないようにするにはどうすればいいか? と、私は考えました。

いやいや、そうではなく、喜ばれるためにはどうすればいいか? を考えなければなりません。

 

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喜んでもらえると、とっても嬉しい

そのためには・・・『彼を知り、己を知れば、百戦危うからず』って言葉通りにすればよいのではと考えました。

 

この言葉は孫武という古代中国の有名な軍事家の書物『孫氏』に係れた言葉で、彼とは相手、己は自分を意味します。百戦危うからずは、百回戦っても勝てるって意味ですよね。この場合の戦いは、問題解決にも当てはまります。

 

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孫子・・・古代中国の軍事書物

つまり、戦争においては、敵の戦力・能力・戦略・戦術を知って、自分の戦力・能力・戦略・戦術を知れば、それらを評価して勝てる戦争はするし、負ける戦争はしないと判断できます。 もしくは、勝てるように自分の戦力・能力を増強し、戦略・戦術を構築すればいいことです。

 

では、システムエンジニアとしてはどのように対応したらいいでしょうか?

まず、敵を知らなければ!!!

それは?

と、言うと

(1) 要望者の職場での全体的な運用について

(2) 要望者の今回の要望に関連する業務について

(3) 要望者の今回の要望に関連する業務とのかかわりのある運用について

(4) 要望者が何故そうしたいのかと言う理由・動機

(5) 要望者が望む姿・イメージ

ですね。

これらを聞き出せたらバッチリです。後は自分がどれだけ出来るかを検討するだけですから。

ちなみに、経験を積んでいくと、(1)から(3)は既に調査済みになっているはずですから、(4)と(5)を聞き出すだけ! チョー早く完了します。

 

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経験がすごいパワーを発揮します。 経験を積んで下さい。

自分の戦力は、どんな開発ツールが使えるか? どんな開発言語が使えるか?ですね。

 

さて、ここまでの情報が得られたら、後はどうするかを検討するだけです。

 

自分の戦力(=能力?)を知りましょう。

どの程度の提案ができるか?開発力はどの程度か? 調査した内容に照らし合わせて、自分だけで出来そうか? それとも他社に協力を仰がなければならないか?

 

●その前に・・・重要な事

(1)~(3)の要望者の環境・前提条件について知っておかなければならないのは、要望者が望むこと以上のものを開発してあげるととっても喜ばれます。

えてして、要望者は自分の能力内で解決策を導き出します。

あなたが、要望者の困りどころを押さえて、要望者の要望以上の解決案を出して上げたら(もちろん解決できり能力内でですが)、きっと目を見開いてあなたに感謝するでしょう。

 

●調整後、開発・改修

あとは、淡々と進めるだけです。

開発・改修・テスト(単体・総合・運用)

そして、リリース

 

リリースしたら、要望者以外からも感謝の言葉が出されるかも知れません。

それを嬉しく思いながら、【いやいや、[要望者]さんが考えてくれたからですよー】とか伝えていると、そのような事が要望者に伝わり、更に要望者から感謝される事でしょう。

 

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感謝の気持ち

これを繰り返していくと、あなたのシステムエンジニアとしての評判があがり、地位も上がり、役職も上がっていくでしょう。

 

●もし、要望通りのシステムを作っている だけならば

それでも、給料はもらえるでしょう。

しかし

・後輩がここに書かれていることを行えば、数年後にはあなたの上司になっているでしょう。

・システムを考える力は経験から生まれます。その経験が無ければ、要望からプログラムを作るのは、もしかしたら・・・あなたの仕事はAIに奪われていることでしょう。

すると、あなたの仕事は、資料室で膨大な紙の資料をスキャンして電子化する・・・てなことになっているかもしれません。

 

そうならないように、このアドバイスを参考に、自分なりのスタイルを考えてください。

 

●豊かなシステムエンジニアライフを

 このようにシステムエンジニアは、現場の事を知った上で、現場の方達が困っている事を敏感に察知して、何を理由に、何をしたがっているのか、それによってどんな結果を得たいと思っているかを、聞き出して上げて(おっと、上目線ですね)、そして、相手の要求以上のものを低コストで実現して上げる(またまた、上目線)と、とっても感謝されるでしょう。

 

思いやり・・奉仕・・みたいな考え方ですね。

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お互いに思いやる事で、喜びを共有できる

こうすることで、あなたの評判がその現場の方達から上司へと伝わり、昇格や昇給が行われるでしょう。

 

Have a good luck by yourself!